教えて!ExcelVBA!

ExcelVBAの基礎知識・書き方について紹介します。

【ExcelVBA シート操作】シートが変更された時に発生するイベントプロシージャを作成するにはどうすればいいの?教えて!

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VBAでは操作をきっかけとして自動的に実行されるプロシージャの事を「イベントプロシージャ」と言います。自動実行のきっかけとなる操作の事を「イベント」と呼び、「イベント」はブックやワークシート、ユーザーフォーム等のオブジェクトに対して発生します。このイベントを利用して「シートが変更された時に発生するイベントプロシージャの作り方」について紹介します。

 

 

構文

イベントプロシージャの記述方法は以下の通りです。

Private Sub Worksheet_Change(ByVal Target As Range)
  [実行する処理内容]
End Sub

[説明]:

シートが変更された時に実行されるイベントプロシージャです。

[実行する処理内容] イベントが実行された時に処理する内容を記述します。

このイベントプロシージャにはオプションが設定されています。
オプションの内容は以下の通りとなります。

オプション 内容
Target 入力値が変更されたセルが渡されます。

[記述例]:

Private Sub Worksheet_Change(ByVal Target As Range)
  MsgBox "変更されました。"
End Sub

 

作り方

(1)VBE(VBA記述画面)を開きます。
※画面の開き方はこちらの手順を参考にして下さい。

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(2)シートオブジェクトをダブルクリックします。
※今回は例としてSheet1をダブルクリックします。

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(3)オブジェクトボックスの▼ボタンをクリックします。

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(4)プルダウン一覧の中から「Worksheet」を選択します。

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※この時点で「Worksheet_SelectionChange」イベントプロシージャが表示されます。(これは自動的に作成される仕組みとなっている様です。)

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(5)プロシージャボックスの▼ボタンをクリックします。

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(6)プルダウン一覧の中から「Change」を選択します。

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(7)「Worksheet_Change」イベントプロシージャが表示されます。

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(8)(7)で作成したイベントプロシージャに実行させる内容を記述します。以下で記述例を2つ紹介します。

(例①)シートが変更された時にメッセージを表示する方法

シートが変更された時にメッセージを表示する方法について紹介します。

[プログラミング例①]:

Private Sub Worksheet_Change(ByVal Target As Range)

  MsgBox "変更されました。"

End Sub

内容は、「シートを変更された時に”内容が変更されました。”をMsgBoxで表示して下さい。」との意味になります。

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[実行例①]:

今回の例としては、Sheet1シートには上記で説明したプログラミング例①が記述されています。

(実行前)

Sheet1シートのA1セルに数値:1がセットされています。

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(実行後) 

A1セルの数値を1→2へ変更すると同時に「変更されました。」が表示されます。(※Sheet1シートの内容が変更された事で、プロシージャが実行されてメッセージが表示されました。)

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[サンプル①]: 

上記で説明したファイルをダウンロードできます。ご自由にお使い下さい。

drive.google.com

(例②)シートのセル値が変更された時に変更されたセルのアドレスを表示する方法

シートのセル値が変更された時に変更されたセルのアドレスを表示する方法について紹介します。

[プログラミング例②]:

Private Sub Worksheet_Change(ByVal Target As Range)

  MsgBox Target.Address

End Sub

内容は、「シートのセル値が変更された時に変更されたセルのアドレスを表示して下さい。」との意味になります。

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[実行例②]:

今回の例としては、Sheet1シートには上記で説明したプログラミング例②が記述されています。

(実行前)

Sheet1シート内のA1セルに数値:1がセットされています。

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(実行後) 

A1セルの数値を1→2へ変更すると同時にセルのアドレス「$A$1」が表示されます。(Sheet1シート内のA1セルの値が変更された事で、プロシージャが実行されてメッセージが表示されました。)

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[サンプル②]:

上記で説明したファイルをダウンロードできます。ご自由にお使い下さい。

drive.google.com

シートが変更された時に発生するイベントプロシージャの作成方法についての説明は以上です。

 

おわりに

今回はシートが変更された時に発生するイベントプロシージャの作成方法について説明しました。オブジェクトボックスでオブジェクトを選択すると、そのオブジェクト既定の「Worksheet_SelectionChange」イントプロシージャが自動的に作成されます。不要な場合は削除して下さい。また、類似の内容としてブック内のシートが再計算された時に発生するイベントプロシージャもあります。ブックの場合とシートの場合との違いは、ブックは全シートに対してイベントが発生しますが、シートは対象のシートのみにイベントが発生します。状況により使い分けて下さい。