今回はデータが入力されている範囲の最終行や最終列の取得方法について説明します。
構文
最終行及び最終列を取得する方法は、以下の通りとなります。
(1)最終行を取得
Cells(Rows.Count, [列]).End(xlUp).Row
[説明]:
データが入力されている範囲の最終行を調べるには
「Cells(Rows.Count, [列]).End(xlUp).Row」
と記述します。
[列] |
最終行を調べたい対象列を英字又は数値で記述します。 |
※指定した[列]のExcel最終行(1048576)から上に向かって検索を行います。
[記述例]:
Cells(Rows.Count, "A").End(xlUp).Row
Cells(Rows.Count, 1).End(xlUp).Row
(2)最終列を取得
Cells([行], Columns.Count).End(xlToLeft).Column
[説明]:
データが入力されている範囲の最終列を調べるには
「Cells([行], Columns.Count).End(xlToLeft).Column」
と記述します。
[行] | 最終列を調べたい対象行を数値で記述します。 (例)1行目の最終列を調べたい場合、1を記述します。 |
※指定した[行]のExcel最終列(16384)から左に向かって検索を行います。
[記述例]:
Cells(1, Columns.Count).End(xlToLeft).Column
使い方
使い方について具体的に説明します。
最終行を調べる方法
最終行を調べる方法について説明します。
【例1】:入力されているデータ範囲が1列しかない場合
入力されているデータ範囲が1列しかない場合について、最終行を調べる方法について説明します。
[プログラミング例]:
Sub サンプル()
MsgBox Cells(Rows.Count, 1).End(xlUp).Row
End Sub
内容は「A1048576セルから上方向に向かって検索し、最初にデータが入力されている行数をMsgBoxで表示して下さい。」との意味になります。
※上記の記述例は、VBE(VBA記述画面)に記述しないと実行ができません。VBEの開き方についてはこちらを参考にして下さい。
[実行例]:
①<実行>ボタンには上記のプログラミング例のプログラムが登録されています。この<実行>ボタンをクリックします。(※ボタンの作り方やボタンにプログラムを割り当てるにはこちらを参考にして下さい。)
②結果は以下の様に表示されます。データが入力されている最終行が7行目であるため、MsgBoxで「7」が表示されます。
[サンプル]:
上記で説明したファイルをダウンロードできます。ご自由にお使い下さい。
【例2】:入力されているデータ範囲が複数列ある場合
入力されているデータ範囲が複数列あり、各列に入力されているデータの最終行がバラバラな場合、最終行を調べる方法について説明します。今回はFor~Next文を使用して列数分の処理を繰り返し、表中データの最終行を取得します。
[プログラミング例]:
Sub サンプル()
'↓処理①
Dim 列 As Double
Dim 各列最終行 As Double
Dim 全体最終行 As Double
'↓処理②
各列最終行 = 0
全体最終行 = 0
'↓処理③
For 列 = 1 To 4
'↓処理④
各列最終行 = Cells(Rows.Count, 列).End(xlUp).Row
'↓処理⑤
If (全体最終行 < 各列最終行) Then
全体最終行 = 各列最終行
End If
Next
'↓処理⑥
MsgBox 全体最終行
End Sub
処理の流れは以下の通りとなります。
[処理①]:変数定義
Dimによる変数定義となります。
[処理②]:変数に初期値セット
[処理①]で定義した変数:各列最終行と全体最終行に初期値0をセットします。
[処理③]:For~Next文による繰り返し処理
For~Next文による繰り返し処理を行います。変数:列に1~4の値を順次セットして処理を4回実行します。(A列~D列の最終行を順番に確認する必要があるため)
[処理④]:各列の最終行セット
処理が実行される都度、各列の最終行を変数:各列最終行にセットします。
[処理⑤]:IF文による各列最終行の大小比較判定
IF文を使用して変数:全体最終行にA列~D列の各列最終行を大小比較しながらセットします。
--------------------------
1回目の処理では、変数:全体最終行にセットした初期値(0)とA列最終行(7)を比較します。結果、0<7の条件が一致するため、変数:全体最終行には「7」がセットされます。
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2回目の処理では、変数:全体最終行(7)とB列最終行(5)を比較しします。結果、7<5の条件が不一致となるため、変数:全体最終行(7)はそのままととなります。
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3回目の処理では、変数:全体最終行(7)とC列最終行(1)を比較します。結果、7<1の条件が不一致となるため、変数:全体最終行(7)はそのままととなります。
--------------------------
4回目の処理では、変数:全体最終行(7)とD列最終行(9)を比較します。結果、7<9の条件が一致するため、変数:全体最終行には「9」がセットされます。
--------------------------
[処理⑥]:全体最終行の表示
判定した全体最終行の結果が9となったため、MsgBoxには「9」が表示されます。
※上記の記述例は、VBE(VBA記述画面)に記述しないと実行ができません。VBEの開き方についてはこちらを参考にして下さい。
[実行例]:
①<実行>ボタンには上記のプログラミング例のプログラムが登録されています。この<実行>ボタンをクリックします。(※ボタンの作り方やボタンにプログラムを割り当てるにはこちらを参考にして下さい。)
②結果は以下の様に表示されます。データが入力されている最終行はD列の9行目であるため、MsgBoxで「9」が表示されます。
[サンプル]:
上記で説明したファイルをダウンロードできます。ご自由にお使い下さい。
最終行を調べる方法についての説明は以上です。
最終列を調べる方法
最終列を調べる方法について説明します。
【例1】:入力されているデータ範囲が1行しかない場合
入力されているデータ範囲が1行しかない場合について、最終列を調べる方法について説明します。
[プログラミング例]:
Sub サンプル()
MsgBox Cells(1, Columns.Count).End(xlToLeft).Column
End Sub
内容は、「XFD1セルから左方向に向かって検索し、最初にデータが入力されている列数をMsgBoxで表示して下さい。」との意味になります。
※上記の記述例は、VBE(VBA記述画面)に記述しないと実行ができません。VBEの開き方についてはこちらを参考にして下さい。
[実行例]:
①<実行>ボタンには上記のプログラミング例のプログラムが登録されています。この<実行>ボタンをクリックします。(※ボタンの作り方やボタンにプログラムを割り当てるにはこちらを参考にして下さい。)
②結果は以下の様に表示されます。データが入力されている最終列がD列のため、MsgBoxで「4」が表示されます。(※A列(1列目)から順番に数えた場合、D列が4列目となるため「4」が表示されます。)
[サンプル]:
上記で説明したファイルをダウンロードできます。ご自由にお使い下さい。
【例2】:入力されているデータ範囲が複数行ある場合
入力されているデータ範囲が複数行あり、各行に入力されているデータの最終列がバラバラな場合、最終列を調べる方法について説明します。今回はFor~Nextを使用して行数分の処理を繰り返し、表中データの最終列を取得します。
[プログラミング例]:
Sub サンプル()
'↓処理①
Dim 行 As Double
Dim 各行最終列 As Double
Dim 全体最終列 As Double
'↓処理②
各行最終列 = 0
全体最終列 = 0
'↓処理③
For 行 = 1 To 4
'↓処理④
各行最終列 = Cells(行, Columns.Count).End(xlToLeft).Column
'↓処理⑤
If (全体最終列 < 各行最終列) Then
全体最終列 = 各行最終列
End If
Next
'↓処理⑥
MsgBox 全体最終列
End Sub
処理の流れは以下の通りとなります。
[処理①]:変数定義
Dimによる変数定義となります。
[処理②]:変数に初期値セット
[処理①]で定義した変数:各行最終列と全体最終列に初期値0をセットします。
[処理③]:For~Next文による繰り返し処理
For~Next文による繰り返し処理を行います。変数:列に1~4の値を順次セットして処理を4回実行します。(1行目~4行目の最終列を順番に確認する必要があるため)
[処理④]:各行の最終列セット
処理が実行される都度、各行の最終列を変数:各行最終列にセットします。
[処理⑤]:IF文による各列最終行の大小比較判定
IF文を使用して変数:全体最終列に1行目~4行目の各行最終列を大小比較しながらセットします。
--------------------------
1回目の処理では、変数:全体最終列にセットした初期値(0)と1行目最終列(3)を比較します。結果、0<3の条件が一致するため、変数:全体最終列には「3」がセットされます。
--------------------------
2回目の処理では、変数:全体最終列(3)と2行目最終列(2)を比較しします。結果、3<2の条件が不一致となるため、変数:全体最終列(3)はそのままととなります。
--------------------------
3回目の処理では、変数:全体最終列(3)と3行目最終列(1)を比較します。結果、3<1の条件が不一致となるため、変数:全体最終列(3)はそのままととなります。
--------------------------
4回目の処理では、変数:全体最終列(3)と4行目最終列(4)を比較します。結果、3<4の条件が一致するため、変数:全体最終列には「4」がセットされます。
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[処理⑥]:全体最終列の表示
判定した全体最終列の結果が4となったため、MsgBoxには「4」が表示されます。
※上記の記述例は、VBE(VBA記述画面)に記述しないと実行ができません。VBEの開き方についてはこちらを参考にして下さい。
[実行例]:
①<実行>ボタンには上記のプログラミング例のプログラムが登録されています。この<実行>ボタンをクリックします。(※ボタンの作り方やボタンにプログラムを割り当てるにはこちらを参考にして下さい。)
②結果は以下の様に表示されます。データが入力されている最終列は4行目のD列であるため、MsgBoxで「4」が表示されます。(※A列(1列目)から順番に数えた場合、D列が4列目となるため「4」が表示されます。)
[サンプル]:
上記で説明したファイルをダウンロードできます。ご自由にお使い下さい。
最終列を調べる方法についての説明は以上です。
おわりに
データ範囲の最終行や最終列の値が取得できると、以降の処理で取得値を活用したデータの追加・変更・削除等のプログラミングが容易になります。